相続税見据えた資産形成を

※この記事は過去に「週間住宅新聞」へ寄稿したものになります。

「汗水垂らしてコツコツ貯めた資金で不動産を買い、所得税や固定資産税を払い、そして最後にこれですか」とは、とあるクライアントがつぶやいた言葉。
忘れもしない、資産の棚卸しをさせていただく過程で相続税額について説明したときのことだ。不動産を活用した資産形成をお手伝いする中で、どうしても避けられない問題が「相続税」になる。

相続税の増税も検討されるなか、もはや相続税は、先祖代々の不動産を保有している一部の資産家だけが心配するものではなくなってきている。これまでまったく相続税の心配がなかった人にとっても、不動産投資家としてスタートを切ることによって十分に起こりえるのだ。

金融機関からの借入を利用して不動産とうい資産を増やしてキャッシュフローを生み出す仕組みを形成したのは良いが、資産が膨らんだゆえに「相続税」が待ち構える確率が高くなる。キャッシュフローとしてたまる「現金」と保有の「不動産」に対する評価額に対して相続税が課税されることになるからだ。

たまに誤解を受けていることがある。それは不動産を購入するにあたっての「借入」が相続税を算出する際に課税対象の資産から控除されるので、実際に相続税の対象となる資産は少ないのではということだ。

団信で残債務なしに

しかし、不動産購入時においては金融機関からの資金調達には団体信用生命保険が付保されていることが多い。

たとえば、すでに配偶者を亡くし子どもが2人いて相続税評価額が2億円の資産をお持ちの方が亡くなった場合、残債務が1億5000万円あったとしても、「2億円-1億5000万円=5000万円」となり、基礎控除7000万円(子ども2人分)を差し引いて相続税が0円になるわけではない。

実際には団体信用生命保険の実行で1億5000万円の残債務が消え、「2億円-0円=2億円」ということで、基礎控除後も相続税は2500万円となるのだ。

誤解を恐れず言えば、借金がなくなるというメリットが相続発生時にはデメリットにもなるわけだ。

先を見越して資産防衛

とはいえ、団体信用生命保険の恩恵は大きいものがあるし、金融機関によっては融資時に加入必須の場合も多い。であれば、資産形成時から相続税も視野にいれ、収益性は低いが相続税評価額ばかりが高い不動産を売却し課税対象を減らすことで相続税学を圧縮、仮に売却できない事情がある場合は共同担保としての活用で「収益性の高い」不動産を購入して納税資金の確保に努める、などの選択肢を早めに考えておく必要があるのではないだろうか。

先を見据えた資産形成の手順が、結果的には資産の防衛にもつながってくる。

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