企業視察のため松山へ

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何の因果か、来週、四国の松山へ企業視察に行ってきます。

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「坂の上の雲(著者:司馬遼太郎)」。

全8巻、何とか読みきりました。

主人公でもある秋山兄弟の生家が愛媛県松山市。兄である秋山好古は騎兵隊を率いてロシア陸軍と戦い、弟である秋山真之は日本海海戦で日本海軍の参謀としてロシアバルチック艦隊を破るのに大いに貢献するわけです。

読書感想・・・ 

基本的に史実に基づいて書かれているので、小説とはまた違うような感じでしょうか。日本側からの見方だけではなく、相手側の見方からも、当時の手紙や報告書などの莫大な資料を擦り合わせながら書かれています。

それだけに話も深く、登場人物の人間模様や展開していく色々な話を通して、自分の経験を話の中に置き換えて読むこともでき、改めて自分を客観的に見つめなおせてみたりと。

この本はもうビジネス書に分類されるべきかと思います。傑作です。

読み手のポジションや経験によって、物語の進行の中から色々な示唆を得ることができます。組織の中で管理職や営業職であれば、そこに関する機微や気付きなど。それ以外の方も、得るもの多く。

いま手元に本がないので、ぱっと思い出せる印象に残っている箇所は、

長い間、航海に出ている船は、船底に「かきがら」が付着するようで、それを主人公の一人である秋山真之が人間に置き換えて語るシーンがあります。人間も経験が増えるにしたがって、今度は逆に経験が邪魔をして新しい発想が出来なくなってしまうと。常には難しいでしょうが、自分の考えが凝り固まっていないか定期的には見つめなおすべきなんでしょう。

また、「馬鹿な大将、敵より怖い」とは、このことかというシーン。

とある要塞を攻めていた日本軍のとある部隊。大将と参謀は、敵弾の届かない最後尾の位置に。さてこの参謀、実戦経験もないのに机上の理論で自分の作戦に固執し、圧倒的な日本人の戦死者を出します。再三に渡る他部隊の進言にも関わらず、徹底的に自分の作戦に固執し、更に増える犠牲者。もう、読んでいて辛い感じ。最終的には・・・(ここから先は是非読んでみて下さい)。

それにしても、日本人で良かったと改めて思わせてくれる内容でした。

それでは。